◆主 宰 プロフィール
大串 章(おおぐし あきら)1937年(昭和12年)11月6日 佐賀県嬉野町(現、嬉野市)生まれ。1950年「毎日中学生新聞」にて俳句等を投稿。1958年に京都大学経済学部に入学、俳句同人誌「青炎」や「京大俳句会」に参加。大学卒業後は日本鋼管(現JFEスチール)に就職。1959年、大野林火主宰の「濱」に参加。1994年、「百鳥」を創刊し、主宰。 1978年、句集『朝の舟』で第2回俳人協会新人賞、1994年、『現代俳句の山河』で第9回俳人協会評論賞、2005年、句集『大地』で第45回俳人協会賞を受賞。講演集『俳句とともに』で第7回文學の森準大賞を受賞。現在、公益社団法人俳人協会会長。NHK学園「俳句春秋」選者を務め、NHKの俳句番組に度々出演。その他、朝日新聞、愛媛新聞の新聞俳壇選者や俳句総合誌「俳句界」「俳句αあるふぁ」の選者も務める。
代表句に「野遊びの終り太平洋に出づ」(『百鳥』)などがある。俳句を抒情を盛る器として捉え、具象的、かつ人間性に基づく抒情性の高い俳風である。明るさとおおらかさのある叙景句にも長ける。飯田龍太は「常凡をおそれぬ恒心の確かさ」と評し、大野林火は『朝の舟』を評し純粋さと透明さ、詩精神の高さを指摘した(『現代俳句大事典』「大串章」より)。
◆年 表
昭和12年(1937年)・佐賀県嬉野町に生まれる。
昭和33年(1958年)・京都大学経済学部入学。
「青炎」「若年」「京大俳句」に参加。
昭和34年(1959年)・「濱」入会、大野林火に師事。
昭和41年(1966年)・「濱」同人となる。
昭和53年(1978年)・第一句集『朝の舟』上梓(第2回俳人協会新人賞受賞)。
昭和59年(1984年)・第二句集『山童記』上梓。
昭和61年(1986年)・『自註現代俳句シリーズ・大串章集』上梓。
平成元年(1989年)・『秀句三五〇選・風』(編著)上梓。
平成 3年(1991年)・第三句集『百鳥』上梓。
平成 6年(1994年)・評論集『現代俳句の山河』上梓(第9回俳人協会評論賞受賞)
俳誌「百鳥」創刊主宰。
平成 8年(1996年)・『俳句添削教室』(共著)上梓。
平成 9年(1997年)・現代俳句文庫40『大串章句集』上梓。
俳句とエッセイ集『抒情の曠野』上梓。
平成11年(1999年)・第四句集『天風』上梓。
入門書『自由に楽しむ俳句』上梓。
平成14年(2002年)・『花神現代俳句 大串章』上梓。
平成16年(2004年)・エッセイ集『千里同風』上梓。
平成17年(2005年)・第五句集『大地』上梓(第45回俳人協会賞受賞)。
平成21年(2009年)・第六句集『山河』上梓。
平成26年(2014年)・『大串章講演集 俳句とともに』上梓。
平成27年〈2015年)・第七句集『海路』上梓。
令和 3年(2021年)・第八句集『恒心』上梓。
◆著 書
■句 集
昭和53年(1978年)『朝の舟』(第2回俳人協会新人賞受賞)
昭和59年(1984年)『山童記』
平成 3年(1991年)『百鳥』
平成11年(1999年)『天風』
平成17年(2005年)『大地』(第45回俳人協会賞受賞)
平成21年(2009年)『山河』
平成27年〈2015年)『海路』
令和 3年(2021年)『恒心』
■俳 書
平成 6年(1994年) 評論集『現代俳句の山河』(第9回俳人協会評論賞受賞)
平成 9年(1997年) 俳句とエッセイ集『抒情の曠野』
平成11年(1999年) 入門書『自由に楽しむ俳句』
平成16年(2004年) エッセイ集『千里同風』
平成26年(2014年)『大串章講演集 俳句とともに』
◆自選二十句
◆自選二十句
■自選二十句 大串章
麦踏に下校せし子のまじりをり
打ち合うてはねてまた寄るけんか独楽
秋風やふるさとで売る同人誌
家郷の夕餉始まりをらむ夕桜
耕人に傾き咲けり山ざくら
山の子や羽子ついて空すぐ近し
木曽の犬氷りし胸毛鳴らし過ぐ
嬉々と柿捥いで憶良の子供たち
赤人の富士を仰ぎて耕せり
野遊びの終り太平洋に出づ
青嶺あり青嶺をめざす道があり
禿鷹を見あげ牧夫のナイフ澄む
水平線大きな露と思ひけり
元旦や分厚き海のよこたはり
兜虫湖ひつさげて飛びにけり
厳割つて生れし如き蜥蜴かな
白日傘幼き兄を諭しゐる
迎火を焚けば生者の寄りきたる
討入りの日は家に居ることとせり
帰省子に校歌の山河近づけり