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◆今月の主宰作品

■冬虹　　大串章

冬虹を見やり今年の旅終はる

数へ日や来年に期すこと多し

人の世を知る由もなく山眠る

冬耕の父へ手を振り下校の子

枯山に人の道あり暮しあり

日向ぼこ過去と未来を往復す

冬暖か老いゆく日々を慈しむ

冬の雨降るだけ降つて止めばよし

街路樹の落葉踏まれて楽しさう

冬の海引き揚げて来し日の遥か

白鳥に会ふたび己が齢思ふ

酒止めて幾年玉子酒は止めず