◆今月の主宰作品
◆今月の主宰作品
■白 鳥 大串章
<八穂子、ローマより一時帰国>
初写真一時帰国の子を囲み
初夢の歌仙のしどろもどろかな
傘寿の身風呂に沈めて去年今年
初旅の山河に思ひ新たにす
<清水口調整池周辺6句>
鏡餅搗くや故郷の響きあり
白鳥も鴨も蒼穹抜けて来し
着水の白鳥に鴨飛び立てり
白鳥の声に白雲透きとほる
白鳥の散らばり湖を広げけり
白鳥の帰る日語り合ふごとく
兎と遊ぶ幼児兎になつてをり
懐手解きて己に返りけり
成人の日の居酒屋に老い独り
寒鯉を沈めて風の荒みけり